野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

松坂慶子はちょっと違うんじゃないか

「ジーン・ワルツ」を読んだのは一昨年のことだが、内容についてはほとんど忘れてしまっているようだ。

マドンナ・ヴェルデ (新潮文庫)

マドンナ・ヴェルデ (新潮文庫)


でも、続編の「マドンナ・ヴェルデ」を読んでいたら、なんとなく思い出してきた。いや続編というよりは、「ジーン・ワルツ」の裏の物語とでも言うべきか。あの小説に出てきた、産婦人科医曽根崎理恵と、代理出産をしたその母親・みどりが主役だ。「ジーン・ワルツ」に比べると、かなり地味という印象だが、なかなか渋いとも言える。二十四節気と七十二候が各章のタイトルになっており、その多くは主人公のみどりが食事の用意をするシーンの描写から始まる。みどりさんは55歳、おっとりした昔ながらのアナログなおばちゃんだ。このおばちゃんが、論理でがっちり武装したクール・ウィッチ、理恵ちゃんに言いくるめられて、実の娘であるところの理恵ちゃんの代理母になってしまうという、この倒錯的な感じがなんとも。
これNHKでドラマになってたのな。2011年の話か。まいったなぁ。映画なら待ってればいつか放送されるのだけど、NHKドラマでは望み薄ですな。