野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

焼き直しだっていいじゃないか、サカモトだもの。

かねてから懸案となっていた、サカモト教授の新作(といってももう昨年の作品だが)"THREE"を入手した。STACIAカードのポイントをクーポンに換えて。なんつっても3,500円もするCDですから、普通に買うのはなかなか、ね。

THREE

THREE


"1996"以来の、ピアノ、チェロ、ヴァイオリンのトリオ作品ですな。16年ぶりてか。
カブっている曲はかなり多い。"The Last Emperor"、"美貌の青空"、"High Heels"、"Merry Christmas Mr. Lawrence"、"Parolibre"の5曲。でもまあ良いじゃないか。いずれも劣らぬ名曲揃い。なかでも"美貌の青空"と"Parolibre"はサカモト教授作品の中でも屈指の美メロだろう。加えて今回は名曲"Happy End"が収録されているというだけでこれは「買い」ですよ。この曲を最初に聴いたのはYMOのアルバム"BGM"に収録されているバージョンで、あのフランジャーかけまくりの音のせいでメロディーは原型を留めておらず「何じゃこりゃ?」という感じでどうもあまり好きになれなかった曲だ。ところが後に、教授のソロシングル"Front Line"のB面に収録されていたバージョンを聴いて、そのメロディーの美しさに愕然としたものだ。他に"/05"収録のピアノ4重奏バージョンもあるが、やはり曲の美しさが際立つこのトリオの演奏は絶品でございますな。
というわけで、やれ回顧趣味だ手抜きだ退屈だというような批判もあり、まあそれもわからんではないが、それでもやっぱり世界のサカモト、素晴らしい曲と演奏です。