ビッグデータなんていうと、もう猫も杓子もてな感じで、この単語を見るとかえって胡散臭くさえ思えてしまう昨今でございますが。実際のところあまりまとまった書籍みたいなのも読んだことがなかったところに、「ビッグデータの覇者たち」なんていう、わりとお手軽そうな一冊を見つけたので、ちょいと手を出してみた次第。
- 作者: 海部美知
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/04/18
- メディア: 新書
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ビデオの予約録画もできないおばちゃんが書いた、というようなことで、正直あんまり期待してなかったのだけど、実はなかなか良いかもしれない。前記のような理由により、あまり技術的な詳細には立ち入らない。けれどもけっこう本質的なところを押さえているなという感じがする。ビッグデータ活用の、色々な事例の紹介がまず面白い。そしてビッグデータといえばやはりまずはサーチエンジン。ということでITバブル前後のその周辺、LycosとかExciteとかAltaVistaとか、20世紀末のネット企業興亡史、みたいな話もなんだか懐かしい。その他、Web業界の四天王と言われるApple、Google、Amazon、Facebookそれぞれのクラウドやビッグデータへの取り組みの違い(AppleはハードウェアやUXの素晴らしさとは対照的にクラウドには弱い、というのがシリコンバレーでの評判らしい)だとか、プライバシーに対する意識の、日・米・欧での差、とか。
という感じで、意外と面白く読めましたです。