前回日本に出張した時に、Kindle化されてない本をあれこれ買い漁ったうちのひとつが「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」だ。
夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2011 (文春文庫)
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/09/04
- メディア: 文庫
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作者による作品解説、あるいは謎解き。というようなものはほとんど無い。謎は謎のままだ(村上作品の読者には、謎をそのまま飲み込む度量を要求されるのだ)。どちらかというと、作家としての姿勢、信条、また執筆における方法論、といった内容がメインだが、これはこれで興味深い。以前に読んだ「走ることについて語るときに僕の語ること」に書かれていたのと同じ内容も何度となく語られる(当たり前だ)のだが、その中のひとつが、小説を書くには体を鍛えなければならない、ということ。50歳ぐらいになってから、体力増強のために自転車に乗り始めた忌野清志郎は「不健全なことをやるためには身体が健康でなければならない」というようなことを言っていたように記憶している。村上さんもまた、「芸術的な仕事をするのは基本的に不健康なことです。だから芸術家はそれを補完するために、健康的な生活を送るべきだというのが僕の意見です」(p.442)と語る。ああそういえばミックジャガーも毎日12km走り、おまけにフィットネスであれこれエクササイズもやり、朝食はスムージー、みたいなずいぶんストイックな生活だったような。そんなのロッカーじゃねえ、とおっしゃる向きもあるかもしれない。が、時代は変わってきているのだよ。