すべての幸福な家庭は互いに似ている。
不幸な家庭はそれぞれの仕方で不幸である。
てなことを言っている。会社が倒産する仕方というのも、実に様々なバリエーションがあることだなあ、と、『あの会社はこうして潰れた』という本を読むとしみじみ思う。
著者は帝国データバンクで信用調査の仕事をしていたのだとか。だから、ありとあらゆる会社が潰れていく様を見ている。創業以来数百年という老舗企業でも、ベンチャー企業でも、誰でも知っている有名企業でも、潰れる時は潰れる。それらをまさに「こうして潰れた」というショーケースとして開陳してくれているわけである。そらアンタ、そんな無茶なことしたらアカンで、という事例もあれば、もうとにかく運が悪すぎるとしか言いようのない事例もある。
「それぞれの仕方で不幸である」とは言いながらも、そこにはある共通した「潰れる会社」に見られる兆候というものがあり、それをきちんと見抜くのが信用調査マンの仕事というわけですな。
これでもかとばかりに会社の潰れる話ばかり浴びせかけられるのは、どうにも辛気臭くて、いやあ面白い本だったとはどうしても思えないのだ。ごめんよぉ。