「居酒屋の巨匠」を自称する太田和彦氏に、あまから手帳から「関西の居酒屋を取材連載しませんか」という依頼が来た。居酒屋の本を何十冊も書いてきた太田氏は、これを挑戦状であると受け止めた。関西の店もよく知っているようだが、調子に乗ったらあかん、あんたまだ甘いで、と。こうして売られたケンカを買ってできたのが、「関西で飲もう」という本なわけですな。
- 作者: 太田和彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2018/10/05
- メディア: 文庫
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この本はざっくり三部に分かれていて、最初が居酒屋編、次が割烹編、そして最後がバーだ。居酒屋が主戦場の太田さんにとって、酒よりも料理のウェイトが高く、いろいろと不都合のある割烹というのは、どうも好きになれなかったそうだが、今回は取材ということで何軒も行っているうちに、割烹の楽しみ方にも開眼してしまったらしい。最初は戸惑いながらも、あれこれ発見し、だんだんと割烹使いの達人になっていく様はまさにビルドゥングスロマン、と思っていたらご本人があとがきにそう書いていた。
まあ割烹はね… とりあえず、紹介されている居酒屋はいずれも良さげ。
でも太田さん言うところの、「灘の安酒をたこ焼きや串カツで飲むような安直に酔えてナンボ」っていう店もわたくし、キライじゃないです。すいません節操なくて。