南米諸国をバイクで縦断した後に、アルゼンチンに帰って医師国家試験を受け、無事に医者になったゲバラ君、今度はボリビア、ペルーからパナマ、コスタリカ、ニカラグア、グアテマラあたりをふらふらし始めた。まさに『ゲバラ漂流』だ。
- 作者:尊, 海堂
- 発売日: 2019/03/08
- メディア: 文庫
で今回、ゲバラ君の放浪の相棒となるのは、デブの弁護士ロホだ。このロホのキャラクターに、どこか既視感があるな、と思ったらアレだ、『チーム・バチスタの栄光』とか『イノセント・ゲリラの祝祭』なんかのシリーズに出てた、厚生労働省の「ロジカルモンスター」、「火喰い鳥」あるいは「ダンゴ親父」こと白鳥圭輔、じゃないか。
池井戸潤の小説でどこかに必ず銀行員が登場するように、海堂尊作品においても、常に医者とクセのあるおっさんが出てくることになっているのかもしれんな。
ラテンアメリカは政情不安定な国が多く、あちこちで革命やらクーデターやらが起こっている。その詳細を事あるごとにロホがゲバラにレクチャーするわけだが、それはそのまま読者にとってもラテンアメリカの歴史についての講義になっている。残念ながらわたくしはほとんど覚えてないけど…
全体のストーリーは面白いのだけど、ロホの『ラテンアメリカにおける革命の歴史』があまりに詳しすぎて、ちょっと邪魔している感じなのよな。読み通すのにずいぶんと時間がかかってしまった。
次は『フィデル誕生』だが、しばらく休憩してから取り掛かるとしよう。