野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

誰も死んだりしませんから

あの「ビストロ・パ・マル」シリーズがドラマ化されるのか。
『シェフは名探偵』って?えらいベタなタイトルをつけるもんですなあ。三船シェフ役は西島秀俊か… ふーん。
まあそれはそれとして。ドラマ化とどう関連するのかは不明ながら、原作の方もついにシリーズ三作目『マカロンはマカロン』が出た。

基本的には今までと同じ。シェフには何でもお見通しってわけだ。
でも今回はアレかな、テーマは「ダイバーシティ」かもね。ダイバーシティを意識してないと、なかなかお見通しってなわけにはいきませんわな。
そして今回やたら出てきたのがブーダンノワール。豚の血のソーセージだ。なんだかずいぶんとスプラッタな感じがするが、美味いらしい。
らしい、というかたぶん食べたことあるんじゃないかな。シチリア料理店だったのでブーダンノワールではなくサングイナッチョというべきなんだろう。そんなインパクトのある料理を食べた記憶がはっきりしないっていうのも、ちょっとどうかと思うけど。
まあとにかく、この小説の舞台はビストロなので、次から次へと何やら美味そうなものが出てくる。そして、こんなふうに飲食店であれこれ飲んだり食べたりできたのが、何だかもうずいぶんと昔のことのように思えて寂しいことこの上ない。
しかし解説によれば、次作はついにビストロ・パ・マルも通常営業をやめてテイクアウトを始めるってな話になるらしい。
次作は「あの頃はどこの飲食店もテイクアウトをやってたんだよな…」と懐かしく思いながら読めるようになっていてほしいものだ。