野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

何気にスプラッタですぜ

勢いに乗って『沈まぬ太陽』の(三)「御巣鷹山篇」を読んだ。

昨夜少し読もうと思ったが止まらなくなり、1/3ぐらいのところで強引に止めたが睡眠不足だ。そして本日、残りを一気読みした。
もちろん恩地君は登場し活躍するわけだが、当たり前のことながら「アフリカ篇」とはまったく別の話だ。少なくとも恩地は主役ではなかろう。

日本航空123便墜落事故のことは覚えている。わたくしは大学一年生で、所属していたクラブの試合が奈良であった帰りに大阪の親戚の家に泊めてもらい、そのまま盆休みで実家に帰省しようとしていた。ニュースで「日航機がレーダーから消えた」というようなことを言っていた。
えらいことが起こっているな、とは思っていたが、まあせいぜいそれぐらいなものだ。
しかし、あらためてあの事故のことをこの本で(一応この本では架空の「国民航空123便」の事故ということになっているけど…)、微に入り細に入り記述されているのを読むと、実にもう何とも。現場は、凄惨にして酸鼻を極める地獄のような状況であったのだなと、打ちのめされたような気分で、しかし読み進めずにはいられない。
この前やっていたWOWOWのドラマ、本当にこの通りにやってたらグロすぎて放映できないだろう。というか映像化は無理(できなくはないだろうけどやめといた方が良いと思う)ですわな。
この小説、事実をもとに脚色し再構成した、ということになっているけども、あまりにも生々しすぎる。そりゃ日本航空も不快感を示すでしょうよ。どこまでが本当の話で、どこからが脚色なのか。いくらなんでも実在の航空会社がそこまで鬼畜じゃないでしょう、と思いたいところが多々あるのだが… 世の中には知らない方が良いこと、というのもあるのだ。