野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

一年に三回もやらかしてたんか

少し前にWOWOWで『沈まぬ太陽』のドラマをやっていて、途中からチラ見していた感じだとなかなか面白そう。これは原作読んでみるかな、と思っていたら実家で文庫版全5巻を発見。とりあえず(一)と(二)の「アフリカ篇」を読んでみた。

すごいなこれ。いや、恩地君には気の毒だが、面白い。いや、これが実話を再構成したフィクションだとすると、カラチ、テヘラン、ナイロビとたらい回しの僻地勤務を10年近くも強いられるなんてのはなかなか酷い話なわけだが。
メインは労使間の闘争なのだけども、実は様々なレベルでの階級社会、そして階級間の闘争が描かれているように見える。白人とカラード、植民地と宗主国、とか。
60〜70年代の労働運動というのがどういうものだったのか、という資料として読んでも面白いんではなかろうか。もっとも、どれほど事実に即しているのかはわからないけども。いつも感じるのだけど、当時、つまり東西冷戦時代の西側におけるコミュニズムへのアレルギーってのは、相当なものがあったようだ。もちろん今でもあるんだろうけど、なんというかその強度というのが現代のそれとはケタ違いなんじゃなかろうか。
次の(三)「御巣鷹山篇」はちょこっとテレビでも見たし、わたくしもリアルタイムで知っている事件を元にした話で、ここからいよいよボルテージが上がってくる。勢いに乗って一気に行きたいところだ。