野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

とにかく古典は読んどけっちゅうことよ

有名なSFの古典、名作というのを、実はほとんど読んだことがない。
ハインラインの『夏への扉』も、そのひとつだ。

そういう小説があるのは知っていたが、わざわざ読んでみる気にはならなかった。
ところが、これが昨年だかに映画化された。それも日本で。
なんでも「バック・トゥ・ザ・フューチャーターミネーター」なのだそうで、それを聞いたら俄然興味が湧いてきた。
とりあえず映画はテレビでやったやつを録画し、原作を読んでおきたいなということでKindleで購入。

原作にターミネーター成分はあまりないけど、これは確かにバック・トゥ・ザ・フューチャーだ。というか、バック・トゥ・ザ・フューチャーにこの小説が影響を与えたってか。
コールドスリープにタイムトラベル。そのタイムトラベルの不完全さに妙にリアリティがあって良いやね。
ドク・エメット・ブラウン的な、マッドサイエンティスト風の学者も出てくるけど、何よりも主人公ダンの言動が、エンジニアという生き物の生態を上手く表していて面白い。
かなり昔の小説だから、ちょっと読みにくいかも、と思ったがそんなことはなく、全く古さを感じさせない。
そりゃそうだ、新訳なんだから。と思ったがよく見たら、新版だけど福島正美訳だから新訳ではない。こいつは驚きだ。
そんな感じで、期待以上に面白く、ほぼ一気に読んでしまった。
さすがはSFの古典、名作と言われるだけの事はある。
ハインラインとかブラッドベリとかアーサーCクラークとかフィリップKディックとか、その辺かなり手薄なのよね。もうちょっと読んでみなあきませんなぁ。