野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

最後の聖戦?

「海戦三部作」の三作目、『レパントの海戦』についに辿り着いた。

コンスタンティノープルの陥落以降、100年以上に渡ってオスマン帝国にやられっぱなしだった西欧世界の連合軍が、ついにやり返した、というお話。
カトリック諸国の連合軍を構成するのは教皇領、スペイン王国、そしてヴェネツィア共和国、ということだが、100年ほどの間に、スペイン王国のプレゼンスは相当に向上したということか。
これらの三者それぞれに思惑があり、連合軍といってもなかなか簡単に話がまとまるものでもないようで。何をやるにしてもああでもないこうでもない、と結構ぐちゃぐちゃになっており、そんなんで大丈夫か、と心配するのだが、それでもオスマン帝国側の失策などもあったようで、結局は「神聖同盟」の圧勝であったと。
まあ運が良かったんでしょうな。ただしレパントの海戦では勝てたものの、神聖同盟の内部がどうにもグダグダで、さらに追い討ちをかけてキプロス奪還、というところまではいけなかったようで。若き指揮官のドン・フアンも何やら調子ぶっこいて舞い上がっていたようなので、それ以上やってたらボロが出て、手負いのオスマン帝国から倍返しを食らっていたかもね。
キリスト教世界とイスラムの間には、こんな具合で積年の恨み、遺恨というのがどっしりとあるわけで、そりゃまあなかなか一筋縄ではいきませんわな。