新聞広告で『僕は珈琲』というエッセイを見つけた。
片岡義男?なんだか懐かしいじゃないか。大瀧詠一、刑事コロンボ、ジャック・ニコルソン、ドトールのミラノサンド、とあれこれ気になるキーワードが散りばめられているので、紙の本を買い求めることにした。
全編、何かしら珈琲に関連する内容のエッセイになっている。
途中に一編、書き下ろしの短編小説も入っている。これももちろん珈琲が絡んでいる。なかなか面白い小説だ。そういえばこの人の小説ってこんなテイストだったかな… などと思い出しながら読んだ。
一編はだいたい2ページから、長くて5ページぐらいのテキストと、写真も時々入っている。どれも、実に他愛もないネタばかりであり、これといったオチが無いものも多い。
それがまた気楽に読めて良いのだと思う。
各編のタイトルの下にはコーヒーカップのイラストが描かれているのだが、このカップには珈琲が一杯に満たされていたり、半分ぐらいだったり、空っぽだったりする。それぞれのエッセイの内容と連動しているのだろうか、といろいろ考えてみたが、その関連をうまく説明できる法則性を見出すことはできなかった。
書いたご本人にしかわからないルールに基づいているのかもしれないし、あるいは特に意味など無いのかもしれない。
『彼のオートバイ、彼女の島』だったかな。探し出してもう一度読んでみようか。