野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

今ごろ気付いたんですけど

つい最近になるまで、坂本教授の自伝が出ている、しかも文庫にまでなっているのだということを知らなかった。うかつなことである。

この『音楽は自由にする』が出たのは2009年で、アルバム"out of noise"がリリースされる直前、というタイミングである。したがって、それ以降のソロアルバムである"async"と"12"(他にもサントラ関係はいくつかあるけど)についての話は、残念ながら触れられていない。が、その辺は福岡ハカセとの対談『音楽と生命』で結構カバーされているからそっちを読めば良いのだ。
まあそれはそれとして、自伝であるから当然、子供のころからの話もあれこれ書かれており、これらが実に興味深いというか、やはり坂本龍一という人は少年時代からただ者ではなかったのだなと思わされる。
そしてわたくしなどは、リアルタイムでYMOを聴き、また坂本龍一のソロ作品も概ねフォローしてきた(といっても1990年代の"Sweet Revenge"や"Smoochy"はあまり興味を持てず聴いてなかった)わけだが、YMOの熱狂の裏で起こっていた事、数々のサントラ作品を手がけることになる経緯、そしてアルバム制作時に教授が考えていた事、などをこうして読んだ上で改めて当時の作品を聴くと、また今までと違った味わいがあるものだ。
次はいよいよ『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』を読まないとね。