野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

全員が爆笑して平和な感じになった

宇治拾遺物語って、たぶん高校の古文の授業で何かやったんだろうけど、ちゃんと読んだことはない。
と思ったら昔話の「こぶとり爺さん」なんてのは「鬼にこぶとらるゝ事」が原典だったりするし、芥川龍之介の「芋粥」「鼻」「好色」とか、谷崎潤一郎の「少将滋幹の母」の一部(色好みの平中が侍従のストーカーをしたあげくに排泄物を強奪)なんかは、この宇治拾遺物語が元ネタだったりするのよね。
で、その『宇治拾遺物語』が町田康により現代語訳された、と。

先に挙げたいくつかの話がすでに、ちょっと常軌を逸したような内容が散見されるのだが、こうやって全編を通して(しかも町田康による現代語訳で)読んでみると、かなり面白い。どうにもアホみたいな話だったり、何だか不思議な話だったり、下世話な話だったり、小学生が好みそうなウンコちんちんな話だったり… まあ色々あります。
でもこれ、池澤夏樹編集の「日本文学全集」の一部になっているのよな。この独特なグルーヴが炸裂する町田康訳で。まあ考えてみれば、この物語に登場するのって、結構アナーキーで「普通そうはならんやろ」っていう行動に出るようなパンクな連中が多いから、実はこういう訳のほうが彼らのキャラクターの本質に迫っているような気がしなくもない。
いや、適当なこと言うてすんません。