日本語版だけでも世にいくつものバージョンがある「三国志」の決定版(と俺様が勝手に決めた)、「泣き虫弱虫諸葛孔明」の第貳部(の文庫)が、ついに出た。
第壱部を読んだのはもう1年半も前だ。ちゃんとまとまるのかこの話。
- 作者: 酒見賢一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/02/10
- メディア: 文庫
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ついに劉備軍団に参画することになった臥竜・諸葛亮孔明の、長坂坡の戦いまでの大活躍(?)を描く。
相変わらず冴え渡る作者の歴史解釈。該博な知識をベースにして、とことん下世話な妄想を膨らませることによって得られるこのリアリティ、素晴らしすぎる。
ほんとに劉備ってどうしようもないダメおやじ。あんなんで曹操に勝てるわけがない。「忍びぬぅ!」とか言うてる場合か。それでも臣下や人民の人気は絶大。徳の将軍、という魔性の男だ。
呉の様子をヤクザにたとえるのもわかりやすい。というか実際に今で言うところのヤクザだったんだろうなあいつら。だから魯粛のセリフがみんな広島弁なのが妙におかしいけど、これまたリアル。
今回、孔明にまんまとハメられた魯粛は、次の赤壁の戦いで活躍することだろう。第参部(いつ出るんだ?)が楽しみですなあ。