野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

カレンの懺悔録

本のタイトルってのはかなり重要だと思う。
数ヶ月前から書店で見かける「申し訳ない、御社をつぶしたのは私です」という本。原題は"I'm Sorry I Broke Your Company"だから、ほぼ直訳とも言えるが、それにしてもかなりの破壊力だ。hontoが500円のクーポンをくれたので、オンラインで買ってみた。

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

タイトルからすると、世の中のコンサルタントと呼ばれる連中が、いかに胡散臭いかということを暴露する本、と思うかもしれない。まあそう思っても大きく間違ってはいないのだが、もっと大事なのは、やれシックスシグマだバランストスコアカードだと、世間で話題になっているマネジメント手法やらシステムやらツールやらを盲目的に導入したってロクなことがない、ということ。ビジネス上の課題に対して科学的なアプローチで解決を図ろうとするのは良いが、ビジネスは科学ではない。ビジネスは人が動かしていて、問題の多くは人に関わることだ、ということ。業績管理システムなど導入しても、客観的な評価など不可能な以上、結局は士気を下げるだけ、ということ。目標管理のために、数値目標やらKPIやらを設定してみても、いずれそれに振り回され、本当の目標を見失ってしまう、ということ。
なるほどな、と思う。全面的に賛同、とは言わないまでも、そりゃそうだよな、とか、やっぱりそうなるよね、ということがたくさんある。ま、そのあたりに目をつぶって、徒労感に苛まれながらも日々こなしている仕事ってのもサラリーマンにはあるわけでね。
わかっちゃいるけど、あんたのやってることにはモグラの糞ほどの意味もないぜ、と指摘されるのはちょっとばかし辛いものがあるよね。