野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

人間の欲望は他者の欲望である、とジャックは言った

 

スタンフォードの自分を変える教室」という本を広告や書店で見かけて、なんとなく気になっていた。けど、ちょっと自分で買う気にはなれず。けっこうかさばるし。などという話を先日飲みながらしていたら、とある人が貸してくれることになった。こいつぁありがたい。

スタンフォードの自分を変える教室

スタンフォードの自分を変える教室

飲酒、喫煙、ジャンクフードの過剰摂取、浪費、などに過度にアディクトする習慣をやめられない。逆に、さっさとやらなければいけない事になかなか手をつけられずいつまでもだらだらと先延ばしする。そんなダメ人間が世の中にはたくさんいる。自慢じゃないがこの俺様もその一人だ。これらの悩みの種を克服するための方法について、この本に書かれている。根性でなんとかしよう、ということではない。脳科学などを活用した、非常に科学的かつ合理的なアプローチで、「やる力」や「やらない力」をつけ、意志力を強化しようというわけだ。なるほどなかなか良くできている。やはりアメリカ人というのは、こういう汎用的なメソドロジーを開発するのが得意だな。

色々な手法が紹介されるのだが、特に、「何かの誘惑に負けそうになったとき、その時の自分の心の動きを観察する」というのはこれ、仏教の修行だろ。自身の中に生成する、色々な衝動や欲望に対してすぐに反応するのではなく、それらをじっと観察し、無力化してしまう。これを「刺激と反応の間のスペース」なんて言う人もいるようだが。

ま、やっぱりそれなりの強い意志をもって修行を積まないと、そうそうグズは治るもんじゃない、ってことですよ。