野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

恥を知りなさいってのはこういうことよ

白い巨塔』第4巻。

白い巨塔(四)(新潮文庫)

白い巨塔(四)(新潮文庫)

かなり危ないんじゃないか、と思わせながらも医療過誤の裁判で勝訴となった財前君。なんと今度は鵜飼医学部長の後押しにより学術会議の選挙に出ることに。
何ですかその学術会議ってのは、とググってみたところ、Wikipediaによると

日本の国立アカデミーであり、内閣府の特別の機関の一つである。日本の科学者の内外に対する代表機関であり、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とする(日本学術会議法第2条)。

なのだそうで(恥ずかしながら初めて知りました)。ひええ、という感じだが、そんなのに財前君を立候補させるってのはもちろん、鵜飼のおっさんにもそれなりも思惑があるわけで、その辺も飲み込んで財前君、一丁いてこましたろやないか、ってんだからなかなか大したタマだ。が、裁判の方は原告側が判決を不服として控訴する。だから学術会議選と裁判で、そりゃもう忙しいのなんのってあーた。
ところで、裁判で証言台に立った柳原医師、当然ながら大学病院側から事前に、わかってるやろなお前、と因果を含められているわけで事実を述べることなどできるわけもなく、しかし後々やはり良心の呵責に耐えられず悶々と過ごすことになる。なんだかつい最近もどこかで聞いたことのある話で、ああ50年以上も前から本邦では規模は違うものの同じようなことが起こっているのだなあと感じざるを得ない。いや実際のところ、虚偽答弁をしたあの方々、出世はしたかもしれんが大丈夫ですかほんとに?と心配になってしまう。柳原みたいな小者とは違うから大丈夫?ああそうですか。しかし財前君みたいな図太い奴でも、誤診により死なせてしまった佐々木庸平さんの亡霊に悩まされる。いや亡霊じゃないけど、財前君自身の心の中にやはり何かしらのわだかまりのようなものがあって、それがありもしないものを見せたり感じさせたりしてしまうのでしょうなあ。
4巻の終盤ではついに控訴審も大詰めで、出てこられるとまずい証人も満を持して登場てなことになり財前君ピンチ。さてこれからどうなりますことやら。

待って下さい、寺尾・人事。

Apple Musicには無いキング・クリムゾンのアルバムを少しずつ入手しているわけだが、"In the court of the Crimson King"、"Red"に続いて今回は"Discipline"をAmazon.comでダウンロード購入してみた。

Discipline: 30th Anniversary Edition

Discipline: 30th Anniversary Edition

これはまた、前記の2作に比べるとけっこうエレクトロニカ寄りというかミニマルっぽくもあり、そしてビートも効いた感じ。そうかと思うとトローンとした"Matte Kudasai"って何だこりゃ?でも面白いアルバムだな。アブストラクトな即興演奏を延々とやられるとなかなかキツいものがあるのだが、本作ではあまりそういうこともないので聴きやすいし。お、エイドリアン・ブリューが参加してるのか。そのあたりも芸風の変化に寄与していたりするのだろうか。いやなかなか、"In the court of the Crimson King"、"Red"に負けず劣らず、なかなか良いではないですか"Discipline"。と思っていたら、フリップ先生ご自身が「歴代クリムゾンの傑作」としてこの3作を挙げていらっしゃるとか。あーそうですよねえ。でも、まだ聴いてない他のアルバムはこの3作には及ばない、という言い方もできるわけで、いやあしまったそんなコメント見るんじゃなかった、と少しばかり後悔。

健康で文化的な生活のために

トイレの修理は結局TOTOのサービスセンターに依頼し、昨日無事に完了した。修理代は2万6千円だかでけっこう高くついたが、ロータンク内の部品は総替えしたし(もう20年以上使っているわけだし)、手洗いの水の出が悪いのも直してもらったから、まあ良しとしようではないですか。これで、用を足す度にロータンク内に手を突っ込んでフロートバルブのチェーンを引っ張って水を流す(しかもちゃんと水が止まるか確認する必要がある)なんていうことをしなくても済むってのはありがたい。これにて一件落着。

フランクフルトまで30時間もかかるのかよ

白い巨塔』第3巻。噴門癌の手術をした佐々木傭平さん、一週間後に肺に転移していた癌が急に増悪し、癌性肋膜炎を発症して死んでしまったよおい。

白い巨塔(三)(新潮文庫)

白い巨塔(三)(新潮文庫)

これがまた財前君の海外出張中の出来事で、ミュンヘンあたりで調子に乗っている時にそんなことになり、ついには遺族から医療過誤により訴えられる始末。手術の前に担当医が、肺の影が気になるので断層撮影をしておいた方が、と進言したのを却下し、また、傭平さんが呼吸困難で苦しんでいるのを術後肺炎と決め付けて自分でまったく診察しようとしなかった、てなことの結果なわけで、まあ自業自得よね。せっかく腕が良いんだからもうちょっと慎重にやれば良いのに、そういうところが雑というか脇が甘いというか。
まあそれにしても、この第3巻の見どころはやはり、法廷での息詰まる応酬、ですかね。癌の転位を見過ごしたことを舌鋒鋭く追求する関口弁護士と、ああ言えばこう言う、の財前被告。そして大河内教授の厳正にして取りつく島もない証言が圧巻で、知的誠実さってものの、ひとつのショーケースですわね。こういう朴念仁というかヘンコ爺さんとはリアルであまり関わりたいとは思わないけども。
何だかんだでとりあえず裁判には勝った財前君、そして己の信念を貫いたがために職を失うことになってしまった里見君。あんたらこれからどうするつもりだ?という感じで第4巻に続く。

やっぱり眠いぜ

出張中は土日に早朝から深夜まで働く羽目になってしまい、くわえて時差ぼけでどうにもしんどいので、代休を取ることにした。そういう時に限って、トイレが故障したりするのよな。
ロータンクのレバーハンドル(に付いているタンク内の軸)が折れやがったのだ。

フロートバルブのチェーンも切れている。もっともこちらは十年以上も前から発生している事案であるのを、長年にわたって対症療法的にごまかし続けてきたのがもうそろそろ無理。というだけの話だ。とりあえずタンクの型番をもとにパーツの型番を調べ、コーナンへ行ってみた。なるほど確かにTOTOのパーツはある。が、ウチのS790Bに適合するパーツは見当たらない。仕方がないのでその場でTOTOのカスタマーサポートに電話して、ロータンクS790B用のレバーハンドルHH07146とフロートバルブTHY444-6Rは今でも入手可能でしょうか?と聞いてみた。入手可能だがホームセンターに売っているとは限らず、おそらく取り寄せとなる。あるいはパーツセンターに直接注文するという手もある、とのことだった。ふむ、そうですか。というかそんな電話はコーナンに行く前にするべきだったな。
結局、自分で修理するのは諦め、あらためてサービスセンターに電話し、修理を依頼した。まったく、何しにコーナンまで行ったんだか。

五郎ちゃんもすっかり偉なって

いよいよ教授選、財前君これからどうするのかね、という『白い巨塔』第2巻では大学病院だけではなくOB会やら外部の医師会、他大学、さらには厚生省の役人まで暗躍し始めて、これはいよいよ大ごとになりつつも、まあ収まるべきところに収まった。でないと話が続かないからな。それにしても財前派の工作ってずいぶん雑すぎやしませんかと思えて仕方ないが、まあそれでもイケるときはイケる、ってなもんか。

白い巨塔(二)(新潮文庫)

白い巨塔(二)(新潮文庫)

晴れて教授となった財前君、ずいぶんと調子に乗っており、前任の東教授の横暴ぶりをそのまま引き継いだというよりむしろパワーアップして、現代で言うところのパワハラアカハラ全開なのだけど、こういうのって昭和の時代はやっぱり割と普通にあったんでしょうか?いや、そんなの今でも普通にありまっせ、と大学病院の関係者の皆さんはおっしゃるかもしれない。まあ酷い話よね。そうやって調子に乗っていると、やらかしてしまうもんですよ、という前振りをしつつ第2巻は終了し、さて佐々木傭平さんの容態は如何に。

財前教授の総回診が始まりました

白い巨塔』ってたしかわたくしが小学生ぐらいの頃にドラマになっていて、その後も何度かドラマ化されてけっこう有名なのだけど、実はどのドラマも観たことがなければ、原作を読んだこともない。やっぱりこういうのは読んどくべきかな、と思ってついに原作に手を出してみたわけですよ。

白い巨塔(一)(新潮文庫)

白い巨塔(一)(新潮文庫)

いやーすごいですな。大学病院における院内政治であるとか権力闘争、みたいな話は例えば海堂尊のバチスタシリーズなんかを読んでも窺い知れるわけだが、あのシリーズの比ではないほどに腥い。
定年で退官する東教授の後の、第一外科の教授の座を狙う財前助教授は優秀な外科医なのだけども、財前に対して何かと含むところのある東は、本来なら財前がそのまま教授になるのが順当なととろ、他所から教授を引っ張ってきて後継者としようとする。てな話を読んでると、つい先日までWOWOWでやってた中国歴史ドラマ『虎嘯龍吟』を連想する。宮廷内で力をつけていく司馬懿を排除しようとする曹叡、みたいな。
第1巻では教授の選考委員会の1回目で終わったけど、どうなるんでしょうね財前くん。そりゃたぶんきっちりと教授になるんだろうけど、あの状況からどうやって選考委員会を丸め込むんだ、てなあたりが気になるところ。その辺はまあ、これからじっくりと。