いよいよ佳境に入ってきた、「潤一郎訳 源氏物語 (巻3) (中公文庫)」。
- 作者: 紫式部,谷崎潤一郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1991/08/10
- メディア: 文庫
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ところで、物心がついてからというもの、かれこれ数百冊という本を読んでいると思うのだけれど、いわゆるところの「落丁本」というのに今回初めて出くわした。最後の方の「若菜(下)」の巻の途中で突如として「篝火」の最後のほう、「野分」、そして「御幸」が始まったかと思うとまた「若菜」に戻る、という。
一応、出版社に送れば先方の送料負担で取り替えてくれることになっているようだが、あまりに珍しいので記念にとっておこうかと思ったりもした。だがしかし、欠落しているのは、紫の上に六条御息所の物の怪が取り付いて死にかける、そこで女三の宮に懸想する柏木がどさくさにまぎれて、ついに実力行使に出る、そして三の宮は懐妊する… という実にドラスティックな展開の、もっとも肝心な部分なのだ。やっぱり取り替えてもらったほうが良いよなあ。
それにしても日本人いうのは、千年以上も前からこういうドロドロ話を好んではったんどすなあ。