野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

お静かに

さすがにちょっと疲れてきたぞ。
朝起きたら妙に騒々しくて、なんやインドにも暴走族がおるんか、と思ったがそうではない。あの無節操なホーンの音は、そこら辺の一般市民が車でもバイクでも、とにかく誰も彼もが無節操に鳴らしまくるからあーいう状態になってしまうわけだ。やかましいぞオマエら!
と言ってみても詮無いこと。とにかく騒々しいのだ。今日は車であちこち移動した。んで朝のうちにチェンナイの市街地を走り抜けたのだが。
何じゃこら?
インドの道路には、車線というものが無い。そこを、自動車、リキシャ、バイク、自転車、歩行者がごっちゃになって走って(人は歩いて)いる。それぞれが勝手なペースで、とにかくどこかに割り込みをかけながら走る。そのためにホーンを鳴らすから、これが騒々しい事この上ない。信号は滅多に無い。では歩行者はどうやって横断するのかというと、やはり走っている車やバイクの前に割り込むのだ。まあ走っているとは言っても、あんまりスピードは出てないから、度胸さえあれば十分に割り込める。車のほうだって決して人を轢きたくはないから、強引に割り込まれれば人を通す。度胸のあるやつが一人割り込めば、その尻馬に乗って横断するやつが何人も後から後から出てくる。車のほうだっていつまでも待ってはいないから、適当なところまた強引に歩行者をブロックして前に進む。これにちょっと怯んだ歩行者がいると、そこでまた車が動く流れになる… とこれの繰り返し。まあ一言でいえば無茶苦茶だ。ちなみにバイクにはヘルメットの着用が義務づけられているそうだが、昼間の装着率は30〜40%といったところか。これは夜間には5%程度まで低下する。三人乗りも多い。多分違法なのだと思うが、おかまい無しだ。それから、車両は左側通行。だけど、渋滞していると、空いている(というより多少マシなほうの)対向車線の半分を使う。つまり逆走する。
これでよく事故が起こらんもんだと思ったが、実際にはちょっとした接触事故ぐらいは日常茶飯事なのだろう。だけどスピードが出ないから、大きな事故には至らないのではないか。それから、みんなが相当に厚かましく割り込みをかけながら走るのだが、「これ以上強引に行くと事故る」というボーダーラインを心得ていて、その寸前で引いているように見える。つまり、無秩序な中でも、ある種の絶妙なバランスを保ちながら走っているわけだ。なかなかに奥が深いぞ。