野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

詩人の魂?

今日は昼前に起きて、ほぼ一日(実際は半日なわけだけど)をだらだらと過ごした。そんな日曜の午後の数時間、「兼業詩人ワタナベの腹黒志願」を読んだ。これがめっぽう面白い。この本を貸してくれたRさんも絶賛するわけだ。

兼業詩人ワタナベの腹黒志願

兼業詩人ワタナベの腹黒志願


自分の職業を他人に伝える際に、「詩人である」ということにより生じる様々の不具合なり疲労感なりというものについて色々と述べられている。おそらく僕だって詩人が書いたものってどんなんか、ということに対して正しいイメージを持っていない。そもそも、詩人の名前を挙げろと言われたら、そうだな、西條八十、北原白秋、ジャン・コクトオ、そんな感じか。どれもまともに読んだことなどない。
それ以外にも色々とこの本は面白い。個人的にはIII部「詩人取扱説明書」が秀逸なんじゃないかと思う。ワタナベさんによれば、いわゆるところの「詩人の感性」みたいなものは詩人の能力のうち一割ほどに過ぎない、あとは「技術」だ。「どんな単語、どんないいまわしをそこに動員するか、という人事課長のような技術の仕事」なのだそうで。んーそうか。で、だからこそ、昨今TV等のメディアにおいて使われている言葉たちの「質」、それもテクニカルな面に非常に問題を感じておられるのですなあ。この辺にはすごくシンパシーを感じましたですね。ひょっとしてアタシも詩人になれるのかしら(なぜにオネエ言葉)と一瞬思ったり、いやいや一割とはいえやはり「詩人の感性」は必要なのだから、と思い直したり。