野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

かなり手こずった

生物学者ジャック・モノー、そして彼の著書「偶然と必然」という名前はどこかで聞いた覚えがあった。とても素晴らしい本である、ということで、ある人が貸してくれた。

偶然と必然―現代生物学の思想的な問いかけ

偶然と必然―現代生物学の思想的な問いかけ


後で調べたら、以前読んだスチュアート・カウフマンの「自己組織化と進化の論理」の中で、「進化とは、翼を得た偶然である」という言葉とともに取り上げられているということがわかった。だから記憶の片隅に残っていたのだな。
なるほどこれは素晴らしい本だ。素晴らしすぎて俺様の理解の範囲を超えている。残念ながら。
遺伝子の自己複製、遺伝、突然変異、自然淘汰、そして進化のしくみ、そんなネタをもとに哲学的な考察が展開される。非常に深い。難しい。ああ悔しい。
少し衝撃的だったのは、「科学は価値の判断を行わず、価値を無視しなくてはならない」ということだ。そんなふうに考えたこともなかった、けどそういわれるとそうかも知れない。