えーまた玄侑宗久さんですが。「まわりみち極楽論」という、これはエッセイというか、人生相談らしいけど。
- 作者: 玄侑宗久
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/11
- メディア: 文庫
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これもええ本ですなあ。後半から、段々と話のスケールが大きくなってくる。アインシュタインも、ファインマンも、カウフマンも出てくる。彼らの理論やら教典やら和歌やらを引き合いに出しつつ披瀝される、自己と宇宙を一体化する考え方は妙に説得力がある。恥ずかしながらデヴィッド・ボームという名前も「暗在系」という言葉も知らんかったなあ。ボームは「全体性と内蔵秩序」か。要チェックやな。
それにしても、僧侶でありながら
世の中にはいろんな問題が溢れているわけですが、その全てを一つの宗教・宗派の枠組みのなかで解決していこうという態度には無理があると思います。もともと宗教には、自らの統一性・整合性のために個別の問題に対する解釈を歪曲してしまうという側面がある。
などと言い放ってしまう懐の深さ。すごいですな。なんだか、こういう人なら信用できるかなと思ってしまうな。