たとえば葬式や法事のときに、般若心経を唱えるってのは、まあ普通にあることだろう。難しい漢字を使っているけど大抵ふりがなが振ってあるから、特に問題なく読める。んでじゃあ一体そこに何が書いてあるのか、というと実はあんまり知らなかったりする。
で、この玄侑宗久さんによる「現代語訳 般若心経」だ。
- 作者: 玄侑宗久
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/09
- メディア: 新書
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世の中の森羅万象を還元主義によって説明しようとした西洋の自然科学はあるところで行き詰まってしまい、20世紀には複雑系とかカオスとか全体の中で部分どうしの関係性みたいなものを捉える、というような考え方が出てきた。ところがインドや中国では何千年の昔から色即是空で空不異色だったっちゅうわけだ。
へーえと思いながら読み進めていくと、最後には結局、「意味なんぞわからんでよろしい」と来た。あらまそうですか。「考えるな、感じろ」というやつですか。
ちなみにこの本、イラストが大変にキュートですごく良い。実はそれが主な購買動機だったりするのはイナメナイ。