最近、ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」やサンデル教授の「これからの正義の話をしよう」が軒並み文庫化され、うむむと思っている。「これからの正義…」はともかく、「銃・病原菌・鉄」はけっこう悔しい。カウウマンの「自己組織化と進化の論理」が文庫化されたときと同じぐらい悔しさだ。一方で福岡ハカセの「動的平衡」は、文庫になるのを待っていたのだが、一向にそのような様子が無いままに「動的平衡2」が出てしまった。もうこうなったら仕方がない、腹を括って単行本を買うことにした。もちろんまずは「動的平衡」からだ。
- 作者: 福岡伸一
- 出版社/メーカー: 木楽舎
- 発売日: 2009/02/17
- メディア: 単行本
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生命現象の本質とは何か。それは生体を構成するタンパク質などの分子を、絶え間なく外部環境から取り入れて分解・再構成する動き、つまり「動的平衡」である。というのが主旨で、それは最初に読んだ「生物と無生物のあいだ」から変わってない。
面白いのは、この考え方をもとにして、たとえば太らない食べ方とは、とか、遺伝子組み換え食物がどう危険なのか、といったようなことについて論じているところだろう。
こういうことをちゃんと科学的に押さえている、福岡ハカセのような人が発する「サステナビリティ」という単語には、やはり重みとリアリティがあるし、それで「ロハス」について語られれば、けっこう説得力がある。
うん、どうやらなんだかんだ言ってある種の「権威」みたいなものに弱いんだな、俺様は。