例によって、ローマ人の季節だ。「ローマ人の物語」シリーズの文庫版が出た。単行本ではXIII巻に相当する「最後の努力」の文庫版、35巻〜37巻だ。
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/08/28
- メディア: 文庫
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一年も前に読んでた話(迷走する帝国)なんて、もう忘れてますがな。時折「こんなやつおったか?」とか「それって何の話?」と思いながら読んだ35巻の主役はディオクレティアヌス帝だ。
ディオクレティアヌス。高校のとき、世界史で赤点を取っていた俺様でも、何となく聞き覚えがあるぞ。短期間に皇帝が入れ替わり立ち替わりし、迷走し始めた帝国の混乱をとりあえず収拾した皇帝、なのだそうだ。結局、数十年後にはその政策もみんなぶちこわしになってしまったらしいが…
帝国周辺の蛮族の侵入を防ぐのが難しくなり、防衛力を強化するために、二人の皇帝、正帝(アウグストゥス)と副帝(カエサル)で帝国の防衛を分担する二頭政(ディアルキア)、さらには四人で分担する四頭政(テトラルキア)、と今聞けば何じゃそらと思うようなことだが、それでも当時は理に適った、あるいは必然性のあることだったのだろう。でも結局それは軍事費の増大をもたらし、それをまかなうためには増税せざるを得ず… こうして帝国が崩壊するプロセスは着々と進んで行くのであった。続く。
てな話だ。単行本では一冊だが文庫では三冊に分かれている。ちょっと細かく分け過ぎのような気もするがな。まあ持ち運びには軽くて良いのだけど。