これでほんとにおしまい。「ローマ人の物語」シリーズ最終巻、「ローマ世界の終焉」の下巻、ね。
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/08/28
- メディア: 文庫
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正直、話の流れが複雑すぎて、うまく把握できてないのだけど、いずれにしてもいわゆる「ローマ帝国」はなくなった、と。
しかし、中巻にも書いてたけど、何をもって「西ローマ帝国滅亡」とか「ビザンティン帝国滅亡」とかするのが適当なんでしょうなあ。そりゃもちろん「なんとか帝が死亡」とかそういうのが区切りとしてはわかりやすいのだけど、その世界に住む人々の実感としては、「滅亡」はもっとずっと後になってからだったり、あるいははるか以前にその本質はすでに失われていたのかも知れないし。
人間の死だって、何時何分何秒をもってはいお亡くなりになりました、っていうのは実は難しくて、いや実際には心停止とか脳死とか、運用上の基準を決めてはいるけど、それって恣意的なものだから。
人間の個体の死だってそんなもんだ。「国家」とか「文化」っていうのは、とても惰性が強いのですな。