「マイ・ブルーベリー・ナイツ」といえばノラ・ジョーンズ主演(なぜ「しゅえん」が「酒宴」に変換される?)の映画である。
一方「ストロベリーナイト」という小説は、前記の映画とは似ても似つかぬ殺伐とした小説だ。以前から広告で見かけては気になっていた。文庫になってからはさらに。
- 作者: 誉田哲也
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/09/09
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 67回
- この商品を含むブログ (164件) を見る
主役は、ノンキャリアの女性でありながら29歳にして警部補の姫川玲子。クラリス・スターリングか岬美由紀か。クラリス・スターリングみたいにタフでもクールでもない。岬美由紀のようにありえないスーパーヒロインでもない。そしてその周辺、みんな強烈にキャラ立ちしている。うさんくさい関西弁の井岡巡査長は、どうしても明石家さんま師匠の映像がうかんでしまう。原作者は生瀬勝久さんを想定していたそうだが。そして何といっても憎まれ役の悪徳刑事・ガンテツこと勝俣、これが大変に良い味を出している。というのに加え、うーむそういうことでありましたか、というプロット。書店員が「最悪の事件!白熱する捜査!このスピード感、このハイテンション!こいつは面白すぎる!」と「!」満載のPOPを書いてしまうのも致し方なかろう。「ソウルケイジ」「シンメトリー」などシリーズ続編も出ているようだし、文庫化されたらぜひ。