「イノセント・ゲリラの祝祭」を読み終わった。
イノセント・ゲリラの祝祭 (下) (宝島社文庫 C か 1-8)
- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2010/01/08
- メディア: 文庫
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いやはやこれはすごい。「イノセント・ゲリラの咆哮」という章があるが、この本がまさに著者・海道尊氏の咆哮じゃないかと思う。
この下巻の大半のパートは「医療事故調査委員会創設検討会」の会議の様子に費やされるのだが、それがなんとも壮絶というか圧巻というか。
まず、官僚にとって具合の悪い話というのは、こういうふうになんとか委員会とかなんたら検討会みたいなものによって巧妙に骨抜きにされてしまうのか、ということ。これはどこまで現実に即した話なのか。事実を不当にねじ曲げ、誇張した話であってほしい。でないと救われない。
そして、クライマックスはやはり彦根医師による、官僚から医師・法律家まで撫で斬りのプレゼン(アジテーション?)だろう。実はこの物語の主役は彦根だ。後半にならないと出てこないけど。
この本はもう、ミステリではない。あまりにもメッセージ性が強くて、その辺がイヤな人はちょっと受け付けないかもしれないけど、でも読み応えはあると思うな。
なかなか良いんじゃないすか。