野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

伊達男による、砂糖漬けの、拷問

京都KBSホールで行われた菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールのライブに行ってきた。ペペのライブは初めて。そもそもオールスタンディングっていうのも初めて。でもないか。かなり昔に磔磔でそんなのがあったな。チャボだったかな。どうでも良いけど。
開演は19時だが18時から菊地氏ご本人によるDJプレイ。ホール内は前の方に集まっている人々、端っこの方にへたり込んでいる人々、そして一杯やってる人々(わたくしを含む)。そう、酒が飲めるのねこのライブ。ロビーで各種の飲み物を法外な値段で売っている。こいつあありがたい、と500円のモルツを飲みながら開演を待っておったわけですな。
そう言えば前座があるとか言ってたな。いよいよ開演となって、登場したのは、なんじゃこら。キテレツ大百科みたいなのが3人出てきたぞ。後でわかったのだが、彼らがクチロロだ。そういやチケットにもwith □□□って書いてあったわ。名前は良く目にするが、見るのも聴くのも初めて。これも後で知ったことだが、いとうせいこう氏がメンバーというのにも驚いた。
さて彼らの演奏、けっこう爆音で勢い良くやっている。エレクトロニクス多用系。なかなか面白いのだけど、30分もやられるといい加減飽きてきた。お前らいつまでやっとんねんと。これがDCPRGを聴きにきての前座ならまだ良いかも知れないけど、ぺぺを待ちながらこれだと、テイストが違いすぎてちょっとな。
個人的にだいぶダレてきて、Twitterに向かって「ペペはまだか」「前座長過ぎるぞ」とボヤいていた。結局彼らが引っ込んだのは開演から1時間ほども経過してからだ。ホンマにいつまでやっとんねん。
そこからステージのセッティングを変更して、これがまた30分ほどもかかって(まあ大所帯だからしかたないだろうけど)、ずっと立ちっぱなしで疲れたし、もういい加減うんざりしたところに、やっとのことで本命のペペ・トルメント・アスカラールが登場した。
そっから後はもう、疲れているのを忘れてしまうほどにあっという間の1時間半。公式ウェブサイトによればセットリストは以下のとおり。

  • 組曲「キャバレー・タンガフリーク」1)孔雀
  • はなればなれに
  • 映画「アルファビル」〜悲しきワルツ
  • 映画「8 1/2」〜それから・・・(ワルツ)より
  • 映画「バターフィールド8」〜バターフィールド8のテーマ
  • パリのエリザベス・テイラー
  • 大天使のように
  • 嵐が丘
  • キリング・タイム
  • 組曲「キャバレー・タンガフリーク」3)儀式
  • ルペ・ベレスの葬儀

(アンコール)

熱病のようなポリリズムと、猥雑にして妖艶なサックスに、呪いのかかったピアノとベース。さらにハープと弦楽四重奏とバンドネオンの混沌によって異様な緊張感と熱狂がもたらされる。アマゾンの密林をさまよっていて、先住民の祭りに出くわしたような気分だ。やっぱり「嵐が丘」と「キリング・タイム」が圧巻だったなー。
菊地さんほとんどMCなし。と思ったらアンコールで出てきてやっと喋り始め、これがまた止まらない。ウソつきトーク炸裂。
結局終わったのは午後10時過ぎ。うーん、ペペだけにして午後8時半に終わってもらえたら(実質の演奏時間を考えたらそんなもん)ありがたいのだけど。ウソつきトークを増やして午後9時とかね。あのゲストさえなければ最高のライブだったな(クチロロごめん)。
今度はダブ・セクステットをゼヒ。