野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

Knowledge Navigatorから23年

先週末のペペ・トルメント・アスカラールのライブ、昨日のエントリに書いたようにクチロロが前座だった。カッコよく言えばオープニング・アクトな。
エレクトロニクスを多用、と書いたように、サンプリングとかループとか、さらにはiPhoneiPadまでを楽器として使っていた。あれらのデバイスをタッチして音を出す様子は、なるほどライブ演奏において今までに無い斬新なビジュアルを演出できるものだ。古くはジミー・ペイジテルミンを使ってみたりヴァイオリンの弓でギターを弾いてみたり、といったところか。ただしそれはさすがに、この俺様はリアルタイムでは見ていない。
わたくしの世代では何といってもYMOだろう。80年代のテクノポップ。ステージ上に「プログラマ」というかつてなかった役割を担うメンバが登場し、演奏に参加する。その身体運用は、従来の「楽器演奏」という概念からはかけ離れたものだった。それがいかにも画期的で、まさに「これぞ次世代の音楽」と中学生のガキに思わせるには十分すぎるインパクトがあったわけだ。
古ーいSFなんかに出てくるコンピュータといえばやはり、巨大なロッカーぐらいのサイズの箱にぴかぴか光るグリッド状のインジケータ、ストレージはオープンリールのテープ、といったあたりが相場だろう。ヒューマンインタフェイスとしては、入力はパンチカードなのに出力は合成音声による読み上げだったりするのがアンバランスで味がある。いや、穿孔テープが出てくるのが普通だったか。ハカセがそのテープを読んで顔色を変えたりする、そんな感じな。
コンピュータってのはB5サイズくらいの板の表面をこすって操作するんだぜ、といったら、バカじゃないのかお前は、と当時の人々は言ったことだろう。長生きはしてみるもんだ。
http://www.youtube.com/watch?v=dyFpu0P4Wek