やっと「純粋な自然の贈与」を読み終わった。「じつにわかりやすい、よい本である」とウチダ先生はおっしゃっており、確かにそうなのかも知れないが、やはり俺様にはちと難易度が高い。
- 作者: 中沢新一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/11/10
- メディア: 文庫
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まずはマルクスの剰余価値説とかそういうものに関する知識がベースにないと、やっぱりちょっとしんどいんではないかと思うのだがいかがでしょう。
まあちゃんとした解説についてはウチダ先生のブログの以下のエントリを見られたい(こら)
http://blog.tatsuru.com/2009/11/19_0912.php
中沢さんの本でよくあるのだけど、キリスト教の三位一体と「ボロメオの輪」が出てき始めると、もうわたくしにはお手上げになってしまうのだな。今回はゴダールの映画まで出てきたし。観てないといまいちピンと来ないのよ。でもこの際だし何か観てみようかな。安いDVDがあると良いな。
クリスマスは本来、死霊の来訪を告げる冬の祭りであった。これはヨーロッパ各地の土着の祭りであり、荒々しく暴力的なものだった。ローマのキリスト教会は実際には夏であったキリストの誕生日を捏造してまで、この祭りをキリストの誕生を祝うものに変えてしまった。それはさらに、第二次大戦後にアメリカ的商業主義により今のようなかたちになった。「新贈与論序説」にあるクリスマスの歴史の話は面白い。その筋の人々にとっては常識に近い話のようだが。キリスト教よりはるか以前から行われていたという冬の祭り、一年のうちで最も日照時間の短い季節に死者の霊がやってくる、それに対して生者が趣向を凝らした様々な贈り物をする、という祭りのほうがなんだか心躍る気がする。