野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

スペインでは雨は主に平野に降る

今回のスペイン旅行において、バルセロナではスカっと気持ちよく晴れ上がった日、というのは実は一日もなかった。なんてことだ。あとで聞いた話によると、10月から11月にかけてというのは、実はスペインではもっとも雨の多い時期なのだそうだ。あれまあ。
まあだからこそ、比較的のんびりできたとも言えるし、その分マヨルカでの快晴がまたなんとも素晴らしかったわけだが。しかしそれでもなお、あのグエル公園での観光客の多さ。もし本当のハイシーズンに行ったら、一体どんな目に遭っていたことか。
バルセロナの公共交通機関は高度に発達しており、非常に便利である。プラット空港と市街地の間は空港バスが5分おきに走っており、所要時間は30分以内である。そして市街地の大抵のところにはメトロで行ける。これもまたほぼ3分おきに運行しており、そして料金も一律1.4ユーロと非常にリーズナブルである。車内も明るく清潔で安全だし。さらに路線バスまで使いこなせれば、まあバルセロナ市内では、ほぼ怖いもんなしなんじゃなかろうか。
食事について言えば、ホテルで「どっか良いとこない?」と訊いてオススメしてもらった店というのが、実はもひとつピンとこず、適当にその辺の路地裏にあるバルなんかに行き当たりばったりで入ったりしたほうが、「当たり」が多かった気がする。基本はやっぱり魚介系でフリットなんかがよろしい。あとジャガイモも美味い。トルティーヤやパタタス・ブラヴァスなんかはまあ間違いが無いだろう。これにカヴァとか白ワインが結構ですな。そういや今回はほとんど赤は飲んでないな。ボトルではなくグラスばっかりだったし。グラスでも結構たっぷりと注いでくれるので、まあ2杯も飲めば、わりと満足できるのよな。
パエリアは3回ほど食べたが、正直なところ日本のほうが、もっと具体的に言えばハポロコのパエリアのほうが美味いと思った。まあこれはどちらかというと好みの問題のようだ。どっちが良いとか悪いとかいう話ではない。本場のパエリアは、日本に比べるとちょっとばかし水気が多い感じがする。これはおそらくあまり日本人好みではないのだろう。実際ハポロコでは、日本人の好みに合わせて、やや水分少なめに仕上げているらしい。こういうきめ細かな仕事をするのは日本人ならではの器用さであり、ホスピタリティなんじゃないだろうか。
あと、コーヒーはハズレがほとんど無かった。有名店とホテルの朝食を除いて。よく「泥水のようなコーヒー」という言い方をするが、バルセロナで後半に泊まったホテルの朝食のコーヒーを飲んで、ああなるほどこれがそうなんだな、と納得した次第である。それ以外は大抵コーヒー(基本はエスプレッソ)が美味い。特に、アル・ベンドレイの駅前にあるショボいカフェで飲んだエスプレッソは、やたら安くて、そして美味だった。今回の旅行まで、エスプレッソはいつもブラックで飲んでおり、ある種の人々が大量の砂糖を入れて飲むのを眉を顰めて見ていたものだ。しかしエスプレッソとうものは、やはり溶けきらないぐらいの砂糖を入れて飲むのが、実はやっぱり美味いのだ。それが今回やっとわかった。しかし、これはもとのエスプレッソがちゃんとしてないと、単に死ぬほど甘いだけのコーヒーになってしまう危険があるので注意が必要だ。まあ少なくともド◯ールあたりではやめといたほうが無難だろう。それに、習慣的にああいう飲み方をするのもまた、美容と健康に関して何かと問題があるのではないか、とイタリア男の腹を見ながら思うのである。