野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ススキノのマーロウ君

もうずいぶんと日が経ってしまったのだが、「探偵はバーにいる」を読んだ。ただいま絶賛上映中(かどうかは知らんが)の「探偵はBARにいる」の原作、かと思うとちがうんだなこれが。あの映画の原作は「バーにかかってきた電話」だ。ややこしいなあもう。
ややこしいけど、その「ススキノ探偵シリーズ」の一作目ですよこれが。

探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)

探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)


んでまあ、「バーにかかってきた電話」を読んだときに、「俺」はなんで依頼を受けるのにどっかのバーの電話で呼び出してもらうんだ、今時ケータイのひとつも持ってへんのかいな、と思ったものだが、、いやーこれはそういう時代なんですね。昭和ですよ昭和。まだケータイなんてなくて、かろうじてヤクザと不動産屋が自動車電話をつけてるかも、てぐらいの。そのつもりで読むと、そういうある種のノスタルジーを感じるというか、まあ懐古趣味かもしれませんけどね、ちょっと味がありますわね。そして「俺」はもうマーロウ君だね、ススキノの。特にこの一作目はもうかなりマーロウ臭がキツい。ていうか「長いお別れ」じゃないのこれ。ますます、「バーにかかってきた電話」の映画版がどんな仕上がりになってるのか気になってきますな。もうぼちぼちロードショーも終わりますけどね。