書店で「白川静さんに学ぶ 漢字は怖い」なんていう本を見かけて、おっ、と思ったのだが、実はこれ「漢字は楽しい」の続編だったのだな。じゃあまずは「楽しい」のほうを先に読んでから、と思ったのだけどブックファーストでさがしてもみつからなかったので、まあええか、ということでとりあえず「怖い」のほうを読むことにした。
- 作者: 小山鉄郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/01/28
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る
「道」という字は、魔除けのために他部族を殺して切り取った首をぶら下げて歩く様子を表す、などというふうに、漢字というのはなんだかおどろおどろしい由来があることが多い。それを「怖い」と言って、実に様々な漢字についてその成り立ちを解説した本である。白川先生ご本人による「漢字百話」がまあ似たような趣向であるが、あちらはさすがにちょっとばかし格調が高すぎて少々読むのに骨が折れる。という俺様のような軟弱者にとってはこちらのほうが気楽に読める。何と言っても白川先生直々に監修された本でもあるし。
それにしてもまあ確かに漢字というのは「怖い」というかなんとも野蛮なルーツを持つものが多うございますな。そのせいかどうか知らんが、金文とか甲骨文字の字面というのはどことなくプリミティヴ・アート的なパワーを持っていて、それに強く惹かれるものを感じるのだなわたくしは。