あの「A」を作った森達也さんのルポルタージュですよ。「東京番外地」っていうタイトルも良い。
- 作者: 森達也
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/07/28
- メディア: 文庫
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普通の人には見えなくなっている、あるいは見ないようにしている場所ばっかりを選んでそこを訪れるという企画なのだが、なんだか「アースダイバー」とか「縄文聖地巡礼」みたいな感じを勝手に想像していた。
うーん実際にはちょっと違うんだな。
でも、とにかくこの人の作品で共通して発せられているメッセージはとにかく「思考停止してんじゃねえぞこの野郎」だと思うんだな。よぉ知らんけど。
訪れている場所じたいには、実はあまり深い意味はない、いや意味はあるんだろうけど、それは問題の本質ではないというか。そこを訪れたことをきっかけとして、「ちょっとこの件じっくり考えてみまへんか」みたいな話に持っていかれてる気がするのよな。
取り上げてるテーマが全体に重めなので、そのままいくとかなりヘヴィなものになると思うのだけど、最初にこの企画を持ち込んできて、すべての取材に同行したという新潮社の編集者・土屋氏と森さんとのカラミがなんだか妙に面白くて、それでかなり救われている感じがするのよな。このへん計算してやっているのだとしたら、いやぁそりゃ恐るべし森達也、でしょ。