最近、ときどき「せんべろセット」などと書いたカンバンを出している飲み屋を見かけることがある。何じゃいそら、と思っていたら、せんべろ=千円でべろべろになれる店、ということらしい。素晴らしいじゃないか。この「せんべろ」、実は中島らもさんが「明るい悩み相談室」でらもさんのまわりで使われている言葉、として紹介したのが最初らしい。なるほどいかにもじゃないか。
らもさんに、中島らも事務所の大番頭・大村アトム氏とフリーの編集者・小堀純氏の3名を基本として、毎回少しずつメンバーは違うが「安くて、気取らない、それでいてちょっと気の利いたものをつまめる。そういう店を探して全国を歩きルポルタージュする」という何とも楽しそうな企画、それを本にしたのが「せんべろ探偵が行く」だ。そりゃ面白くないわけがない。
- 作者: 小堀純,中島らも
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/07/20
- メディア: 文庫
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スタートはやはり「せんべろの聖地」新世界から。以降は横浜の黄金町とか名古屋の大須とか博多で「角打ち」とか、番外編で「らも家でいえべろ」とか… とにかく、ええ大人がそろって、飲みながらのグダグダぶりがなんともたまらん。そして、せんべろと言いながら本当に千円以内だったのは最初の新世界だけで、あとはほぼ毎回予算オーバー。というのもまた微笑ましい。
「その八」で出てきた西天満の「松浦商店」が気になる。いずれ調査に行かねばなるまい。