「困ってるひと」って、新聞の広告でよく見かけましたな。けっこう話題にもなっていたようで。なんとなく手を出さずにいたのだけど、R文庫に入っていたので読んでみた次第。
- 作者: 大野更紗
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2011/06/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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自己免疫疾患系の難病に罹ってしまった自称「難病女子」のお話。何がすごいって、かなり悲惨かつ壮絶な境遇なのに、それを徹底的に突き放して見て、記述していることだろう。文章も決して格調高くはないけど、ドライブ感があって面白い。どんどん読める。けど痛い。特に最初の方、筋生検とか骨髄穿刺とか。痛い。怖い。
面白おかしく書かれているが、もちろん相当に苦しみ、悩んだことだろう。それはもうわたくしなどの想像を絶するレベルで。そういうひとだけが達することのできる境地なのかもしれない。難行苦行に耐えて、悟りを開こうとする修行僧のように。
まったくランダムに、誰にでも、その人の思想信条生活習慣にかかわらず、ある一定の確率(きわめて小さいが)で、こういうことが起こりうる。なんという不条理か。それに対処するには、この「苦」を客観的に見つめられるようにするしかないわけだ。タフですね。