橋本治、初の純文学長編。なのだそうだ。なぜタイトルは「巡礼」なのだろう、という疑問は、最後まで読んでやっと解決した。
- 作者: 橋本治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/01/28
- メディア: 文庫
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近隣住民の避難を浴びながら「ゴミ屋敷」に住み、かつゴミを増やし続ける老人・下山忠市。普通に生きてきたはずの彼が、なぜゴミ屋敷の主人になってしまったのか。彼の半生を、戦後から高度成長期にかけての世の中の変化、特に人々のマインドセットが変わっていく様といっしょに描いたクロニクル。という感じか。
正直、なんだかよくわからんな。という感想だ。忠市さん、あまり運が良くはないようだが。色々な事象に対する、人々の捉え方や気持ちの動きというのをかなり細かく描写していて、この辺がなかなか鋭いのかもしれんが、わたくしにとっては少々クドすぎ、また妙に理屈っぽすぎて、あまり好みではないですな。このあたりの内容というのは、非常に「橋本治的」なのですけどね。まあ、お好きな方はどうぞ、というところか。