前から気になっていたけどなぜか手を出してなかった、鷲田せんせの「ちぐはぐな身体」。先日の「服は何故音楽を必要とするのか?」の勢いに乗って、いってみましたよ。
- 作者: 鷲田清一
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/01
- メディア: 文庫
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なんだかいつもの鷲田せんせより読みやすいな、と思ったら、対象読者は高校生だったらしい。うむ、あたしゃこれぐらいでちょうど良いですわ。
語り口は平易だが、問いの立て方は実にラディカルで刺激的だ。
じぶんの身体というのは、大半がじかには見えない。この指摘に、いきなりがつんとやられた。身体というのは、<像>(イメージ)に過ぎない。ひとは寒さを凌ぐために服を着るのではない。じぶんの身体=不安定な<像>を、包囲して「補強」するために、あるいは切れ目を入れて「強化」するために服を着るのだ。なんて言われると、うーむ、と唸ってしまう。
ファッションショーなんかでモデルが身にまとって出てくる最新のモード服。あれはなんであんなけったいな服ばっかりなんだろう、あんなのどこで着るんだ?といつも不思議に思ったものだ。が、上記のような考え方をふまえて、実はそれなりの解釈ができるのだ。それは必ずしもデザイナーの意図とは合ってないのかもしれないけど、ちゃんとそれぞれに意味を与えることができる。すごいことだと思う。名著ですな。