レイさんにお借りした「世界クッキー」を読んでみる。河上未映子さんのエッセイである。
- 作者: 川上未映子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/05/10
- メディア: 文庫
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「境目が気になって」なんかを読むと、なんだか哲学者みたいなものの見方をするんですな、とも思う。じっさい永井均さんの影響というのを公言しているようだけど。とにかく独特。「喫茶店でお茶を飲みながら、あっ。このお店にいる人が全員もれなく、頭蓋骨を所有しているのだ! という当然のことにはっと気がつき、驚いて、動けなくなりました」(p.139「まいにちいきてる」)ていうのも何だか。ワンダーですな。子どもを笑わせるためにエレベータの中でぺろんとお尻を出していたら、実はモニター付きで、1階で待っている人々にがっちり見られていた、という悲惨極まりない話(「燃える顔、そして失われたお尻」)なんかはシンパシー的に笑わせるけど。やっぱりこのバランスが絶妙なんでしょうな。いやはや。