2013-11-24 キズキと直子と僕? 読書 そういや「D機関」シリーズの新作が出てるんだよな、と思っているうちに、前作の「ロマンス」が文庫化された。まずはこっちだな。ロマンス (文春文庫)作者: 柳広司出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/11/08メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る「華族」という、いまは絶滅してしまった階級、おそらくその中でも異端であろうと思われる人物が主役だ。一応は、ミステリーという分類なのだろうけど、なんだか不思議な話だ。第二次世界大戦の直後ぐらいまでは、こういう人たちが実在したのだなあ、と。殺人事件のトリックとか謎解きがどうこう、よりもこの主人公の、クールでノーブルなキャラクター造形が妙に気にかかる。この主人公に加えて、華族でありながら軍人、という友人、そしてその妹、という三人をめぐる物語。なんだかこれは「ノルウェイの森」だ、と思った。三人の物語、という以外に、その共通点をうまく指摘することはできないけれども。