野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

次はストロガッツ行っとく?

先日読んだ「非線形科学」の続編、「非線形科学 同期する世界」。先に書店で見つけて興味を覚えたのはこの本だ。

あらためて見回してみると、世界は無数の周期運動であふれている。一見、周期運動とは無関係のように思えることも、実は周期運動として解釈すると何かと都合が良かったりする、らしい。生身の人間が感知できる周期運動は、そのシステムを構成する複数の振動子が、巧妙に同期を取ることによって創り出されていることがある。例えば心臓の動きなんかもそうだ。言われてみれば確かに、身体中に動脈血を送り出し、静脈血を取り込む動作というのはけっこう複雑で、これを何のコントロールも必要とせず、かつアダプティブに実現できているというのは、まったくもって驚異的なことと言うほかない。
こういう、複数のシンプルな振動体からマクロで複雑な周期運動を作り出すのが、「同期」なんですな。これまた複雑系の科学やネットワーク科学と同様に、実に広範な応用範囲での研究がなされているようで、なんともエキサイティング。
実を言うと、この著者の蔵本さんの説明ってどうもわたくしとは相性が悪いようで、もひとつうまく理解できないところも多いのだけど、それでもたいへん楽しく読むことができましたです。