野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

腹って振れるもんですか?

いずれ読んでみなければ、とずっと思っていたのだ。INU、じゃなくて町田町蔵、でもなくて町田康。どこから手をつけよう、と思っていたら映画化された関係で書店に平積みされていたので『パンク侍、斬られて候』。

パンク侍、斬られて候 (角川文庫)

パンク侍、斬られて候 (角川文庫)

導入部分の雰囲気は司馬遼太郎とか池波正太郎あたりの時代小説という感じで、そこらの電柱で立ちションでもするくらいの気軽さで読み進めて行くと、突然何者かに背後からグサっとやられ、「なんじゃこりゃあ!」と叫ぶことになる。
この狂騒的なグルーヴはアレだ、筒井康隆の『脱走と追跡のサンバ』。もう全体的に、いろんなところがあのテイスト、いやもっとイカれている。とにかく異様としか表現しようのない世界観。出てくるキャラクターが、ほとんど例外なくおかしい。名前も変。どうしたら良いのだ一体。これがパンク、ということか。まるでB級カルトムービーじゃないか。
こんなもん映像化できるのか?と思うが、やってるんだよな実際。いやーこれは、ぜひとも観てみなければなりますまい。