野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ヱビス ザ ホップ復活してますよ

集英社文庫の4月の新刊を買った中には、『町を歩いて、縄のれん』もあった。

町を歩いて、縄のれん (集英社文庫)

町を歩いて、縄のれん (集英社文庫)

今まで読んだ太田さんのエッセイと少し違うのは、ただひたすら居酒屋で飲んでばかりではなく、映画、演劇、陶器、音楽… 等々と、実に広範囲に渡る話題について語られていること。いずれもまた渋い趣味で(わたくしなんかにとってはいささか渋過ぎるものも含め)、居酒屋で酒や料理、うつわ、果ては店の作りや調度品、てなところまでも語られるのと同じ調子の文章なので、そりゃたまらんわけですね。
そして最近はもう、あまりしょっちゅう飲みに出るのもしんどいってんで家でどんな風に飲んでいるか、さらには日中どんな風に仕事するか、といったライフスタイルにまで踏み込んでいて、それがまた楽しい。
もちろん、旅先で訪れる居酒屋についての話はいつも通りで何とも味わい深く。なんならこのテクストをアテに酒が飲めますわね。
良いですね。こういう塩梅の枯れ具合でおじいちゃんになりたいもんだ、と思う。