タルマーリーという、パンとビールを作って売る店が鳥取県の智頭町にある。
非常に興味深いのだが、車でないと行けないような辺鄙なところにあり、そしたらビール飲まれへんやんけ、と思っていた。
そして、『腐る経済』という本がある。
つい最近になって、この本の著者がつまりタルマーリーの渡邉格さんである、ということに気付いた。
本の名前は正確には、『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』だ。
田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」 タルマーリー発、新しい働き方と暮らし (講談社+α文庫)
- 作者:渡邉 格
- 発売日: 2017/03/17
- メディア: 文庫
パン屋も最初は千葉県いすみ市で、それから岡山の勝山に移転し、さらにビールも作るために智頭町へ移った、ということだ。
「野生の酵母」を使ってパンを作るために、ずいぶんな苦労をされているわけだが、この話がまた実に面白い。発酵というのは奥が深いですな。
有機農産物の卸売会社での勤務、あるいはパン屋での修行の中で、マルクスを読み、資本主義の矛盾について気付くわけだが、かといって共産主義革命を目指すわけではない。またこのての話はどうしてもスピリチュアル方面に走りがちだが、特にそっちには行かず、良い按配のところにいるなあと思う。
それにしても食品、特に農業がらみは「ちゃんとしたこと」をやろうとすると、どうも資本主義とは相性が悪いですわね。
とりあえずビールはテイクアウトにしよう。