野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

イマドキの中坊ってのは

『ワイルドサイドをほっつき歩け』はずいぶん面白かった
でも、その前に『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読んでおくべきだったかな、とも少し思った。
そうこうしているうちに文庫が出た。そら読まなあきせんわな。

タイトルの「ぼく」は著者ブレイディみかこさんの息子である。母親(みかこ)は日本人、父親(ブレイディ)はアイルランド人。だから「イエローでホワイト」なわけだ。
そしてこの息子くんは、市の学校ランキング1位の、カトリック系公立小学校に通っていたのだが、中学からは家の近所にある「元底辺校」に進んだ。
そうすると実にまあ、いろんなことが起こる。それらは、階級社会っていうのはこういうことなんですよ、というショーケースでもある。
そして、日本だろうがイギリスだろうが、どこにでもレイシストのクソ野郎ってのはいるもんだな、と思う一方で、イギリスの中学生ってのは、学校でこんなことを習うのか!と驚かされる。
他人を尊重することとか、個人の権利と責任とか、人種・文化の多様性とか、いわゆるシチズンシップ教育ってやつですよ。
どう考えても日本の中学校とレベルが、というか次元が違うんじゃないか。
もっとも、わたくしが中学生だった1970年代と比べるのはフェアではないかもしれんがね。そもそも、そんな昔のことなんてロクに覚えてないし。
まあ日本でも今はそういうのをやっているのだろうか。今のこどもたちはそういう教育を受けているのだとすると、何というか少しは希望が持てるかな。
民度」っていうのはこういうことだと思うね。『ゴルゴ13』をいくら読んでも身につきませんぜ。