『下町ロケット ヤタガラス』を読んで思った。
前作の『下町ロケット ゴースト』とは連続したストーリーではあるが一応はそれぞれ独立した作品になっている。別々に読むのも悪くはないだろう。しかしこれらの2冊、『ゴースト』と『ヤタガラス』は、やはり通して一つの物語として読まれるべきだ。
そう、その残尿感こそが本作『ヤタガラス』のページをめくる手のドライビングフォースになっているのですよ。知らんけど!
とりあえずこの『ヤタガラス』で、帝国重工の的場取締役の存在感が爆上がりしましたな。
いやー、そんな奴おらんやろ往生しまっせと突っ込みたくなるが(おらんよね?いくらなんでも)、このわかりやすいヒールっぷりにはなかなか痺れる。
現実には、下請法に対してこんなに脇が甘くて役員までなれるとはあんまり思えないんですけどね。どうなんかな。
あと、本作では日本の農業の危機的な状況を広く世間に知らしめた、という点でも世の中へのインパクトは小さくないと思う。
その危機に対処するためのソリューションのひとつがICT農業であり、そのあたりをがっつり取り上げ、プロパガンダとしての効果もかなりのものがありそう。
と言いつつも、ICTを活用した生産性の向上、みたいな話っていうのは、農業との相性は一見良さそうでありながら、どこか根本的なところで相容れないものがあるような気がするのよな。うまく説明できないけども。
その辺、トノはわかってるんじゃないかな、なんとなく。
てなところは置いといて。
相変わらずリアリティはないけど、めっぽう面白いよねこのシリーズ。