ある日の朝刊広告にあった
AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか
というフレーズに激しく興味を引かれた。
『言語学バーリ・トゥード』という本の広告だ。バーリ・トゥードって何だったっけ?南米の格闘技とかそんなんだったかな。何だか面白そうな本だ。でもハードカバーの本で、2千円近くする。さすがにちょっと高いな。などとぐじぐじ思い悩んでいたのだが、ついカッとなってKindle版をダウンロードしてしまった。
つまり、内容としては言語学に関する諸々のトピックを取り上げたコラムのようなものなのだが、端的に言ってかなりふざけている。
いや、別にふざけているわけではない。言語学に関しては真摯に向き合っている、と思う。たぶん。知らんけど。
わたくしは言語学に関しては素人であるから、その記述の正確さについては判断のしようがない。
ただひとつ言えるのは、滅法面白い、ということだ。
タイトルからわかるように(って、わたくし最初はわかりませんでしたけど)、著者は大変な格闘技ファンでプロレスマニアである。
言語学についての本なのだが、たとえ話やら何やらがほぼ全てプロレスに関連している。
そもそも、最初のお題が
ラッシャー木村の「こんばんは」に、なぜファンはズッコケたのか。
って、知らんがな。
ラッシャー木村の「こんばんは」も、それに対してファンがズッコケたことも、わたくしは知らない。
そういう、わたくしの知らないプロレス関連のエピソードが次から次へと出てくる。
でも心配はいらない。非プロレスファンにも理解できるように、その辺は懇切丁寧に解説してくれている。
なので、言語学はともかくとして、昭和のプロレスの歴史に関してはとても勉強になる。
ちなみに、AIを「絶対に押すなよ」を理解できるように学習させることはできる。
ただしダチョウ倶楽部の言うこと以外は理解できなくなる。つまりそういうことだ。